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報告

思春期の今を知る ~親として、地域として~

にいがた女(ひと)と男(ひと)フェスティバル2015 ワークショップ

★Assistation

子どもが思春期を迎えると今までと急に変わったように感じたり、どう接していいか戸惑います。
思春期とはどういう時期なのでしょう?
新潟県立大学講師でカウンセラーとして思春期の子どもたちと接している、勝又陽太郎先生と一緒に思春期を学びます。

★一時保育の受付は終了しました。

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実施内容

*団体から提出された実施報告書を元に作成
【参加人数】計18人(女性:17人 男性:1人)

【少年犯罪の現実】
 少年の凶悪犯罪は増えていないが、報道が増えているので少年犯罪が増えているように感じてしまう。

【思春期・青年期のこころ】
 思春期は心理的離乳期で、親への依存から自立しようとしながらも心細いため、親密な友人関係や異性愛の出現が重要な役割を果たす。
 友人関係の果たす機能としては①安定機能 ②社会的スキルの学習機能 ③モデル機能がある。発達課題としては、アイデンティティの確立がある。しかし、社会が安定した価値の物差しがあった時代から、価値が多元化し人間関係も流動化する時代になり、統合的で一貫性のあるアイデンティティを確立するよりも、様々な場面に臨機応変に対応できる「キャラ」を複数併存させることで適応している。

【今の思春期の問題点】
 「キャラ化」は、「成熟」より「適応」を重視することで、自分が「成長」したり「変わる」ことへの実感が乏しい。また、人間関係が序列化されそうになると、キャラの関係に置き換えて、関係を対等に保とうとする。これは、今までの青年後期の発達である。互いの価値観や理想・将来の生き方などを語り合う関係や異質性をぶつけあう関係とは異なる発達過程である。

【インターネット上での仲間関係】
 ネットの中は避難場所であり、傷つく場所である。身近な人から何を書かれるかわからない場所でもある。

【思春期の子どもとのコミュニケーション】
①「子どもの行動の意味をきちんと考える」 問題行動を対処行動に置き換えて考えてみる。
②「わからないことは教えてもらう」
③大人自身も自分の間違いを認める。
④「一方的な押付けでなく、メリットとデメリットを提示して自分で選択させる余地を残す」 インフォームドコンセントや交渉事と考える。
⑤「PIUSなコミュニケーションを心がける」 P(Positive 肯定的な言葉がけ) I(私から始まる言葉 Iメッセージ) U(Understandを示す言葉 枕詞を使う) S(Share 責任の共有)。人格のある他者として尊重することが大事。

担当者の所見

 今回の講座は、川崎の少年事件がきっかけでした、親として、周りにいる大人として漠然として不安感や子どもたちの間に何が起こっているのか?という疑問を解消するために企画しました。今どきの思春期を理解することができるとてもいい講座でした。
 参加者からは、「子どもたちを取り巻いている、今抱えている現状がよくわかりました」「親が育ってきた時代と重ね合わせるのではなく、今の子どもたちが生きている環境・考え方を尊重することが大事だと気づきました」「現状維持をほめて、やる気スイッチが入るように本人と真剣に向き合うよう、時には演技してみます」「異星人のようでした。さてさて、どう共存していくか。目からウロコタイムでした」など、今までの子どもの不可解な言動とその理由のヒントがもらえて、参加者からは次回を期待する声やシリーズ化して学習会をしたいとの声も寄せられました。
開催日 2015年6月28日(日) 10:00~12:00
会場 新潟ユニゾンプラザ2階 女性団体交流室2(新潟市中央区上所2-2-2)
対象 テーマに関心ある方ならどなたでも
講師 勝又陽太郎さん(新潟県立大学人間生活学部 子ども学科)
内容 【ワークショップ】
参加費 500円
定員 20人
保育 なし
主催 Assistation
お問合せ先 Assistation(立松) 電話:090-3754-5072 e-mail:assist_station@yahoo.co.jp